宇野港フェスティバルとオオキンケイギク

 日曜日は宇野港フェスティバルというものに遊びに行った。実は去年にも行った。去年は日記にどう書いただろうと確認したら、まるっきり書いていなかった。日記熱が低かったのだな。
 去年は陽射しがジリジリと照りつけ、大いにつらかった思い出があるのだが、今年は金曜日に降った雨のおかげで空気が冷えていて、とても過しやすかった。去年は矢も盾もたまらず屋台でかき氷を買ったけれど、今年はぜんぜんそんなことにはならなかった。店の売り上げもずいぶん違っただろうと思う。
 先日の総社の祭りに続いて、この祭りでもステージでバトントワリングの演技があった。行なっていたのは別の団体である。岡山にはけっこうな数のバトントワリング団体があるようだ。これが一般的なことなのか、岡山はわりとバトン熱が高い地域なのかは定かではない。
 演技は見応えがあった。いま思えば総社のステージには屋根があったので、だいぶ動きが制約されていたのかもしれない。今回のステージには屋根がなく、そのためバトンも飛ばし放題で、迫力があった。競技に足を突っ込んでいる立場として、研究する心もあり、全体のダンスを眺めるのではなく、ひとりの演者に注目して、特にバトン回しの指使いの部分を食い入るように注視した。その結果、なんか指で回すとかそういうんじゃなく、バトンはもうひとりでに回っているように見えた。すなわち、手首とかが神経レベルで微細な動きをして、きわめて小さな動きと力で、バトンの勘所のみを押さえ、華麗にクルクルと回しているのだった。す、すごい……、と思った。僕のバトン回しは、実に愚直に、バトンを回す手の動きをしてバトンを回しているのだけど、熟練者はバトンを、ただ持っているだけのようにして回すのだ。あれかっこいいなあ。あれできるようになりたい。近ごろバトンを飛ばす練習とかに入っていたけれど、まだまだ早かったかもしれない。もっと基礎練に励むべきだし、なによりその「バトンを回すともなく回す」基礎ができあがれば、それはもう明確に、「バトンをそれなりに器用に回す一般人」とは一線を画すことになるので、だからとにかくそこを重点的に努めようと思った。お祭りのバトンのステージで、こんなにも真摯にバトンへの思いを新たにした34歳の男がいたのだった。
 そのあとは、アトラクションでアクアボールというのをやっていて、ポルガは去年の夏くらいから、水上を巨大なボールの中に入って遊ぶこれを、ずっとやりたいと言っていて、いつかどこかでやらせてあげたいな、ということを思っていたので、待ち時間はそれなりにあったが、やらせてあげることにした。対象は3歳からだったので、ピイガも一緒に入ろうと思えば入れたのだけど、予想の通りピイガは「やらない」ということで、代わりに列に並んでいる時間でヨーヨー釣りなどをさせてあげた。そうして数十分待ち、ようやく順番が来て、ポルガがボールの中に入る。ボールの中に空気が充填され、水上に放たれたポルガは、なかなかに躍動していた。1年間の思いの丈を存分に発散させた3分間だったのではないかと思う。よかったよかった。
 それから屋台で焼きそばやらたこ焼きやら買って、テントで食べた。車なのでもちろんビールは飲めない。もっともビールが飲みたくなるような気候でもなかったし、そもそもこういう場でのビールはあまり好きではないので別にいいのだけど。
 そんな感じでなかなかに堪能できたお祭りだった。
 そのあと立ち寄った公園で、オオキンケイギクが群生していたので、中に入って写真を撮った。オオキンケイギクのいいところは、見栄えが良くてフォトジェニックで、しかも群生地に立ち入ってガンガン踏みつけても、なんてったって駆除対象の特定外来生物なので誰にも怒られない、というところだ。
 そんな、今から立ち入るぞ、という場面の写真。右手でピイガを抱えている。
 

 わざわざ珍しく写真をアップしたのは、オオキンケイギクのきらびやかさもあるけれど、先日作って「nw」にアップしたタブレット入れの、実際に使用している様を見せびらかしたかったから、というのもある。なかなかに気に入っているのである。しかしこうして見るとピイガの足がタブレットを入れているポケットに接近していて、いまさらながらおそろしい。
 そんな風にアクティブに過し、3時くらいにようやく帰宅。もちろん僕だけ寝る。1時間半ほども寝た。